また放置してますけど、
アーロと少年
ズートピア
を見ました。
アーロと少年は、見た方は覚えてると思うけど、
少年と恐竜の友情物語……と見せかけて、恐竜が人間を飼うという
「ペットを育てること」がテーマの映画でした。
ズートピアは、かなり考えさせられたので、ちゃんと言葉にしたいです。
また放置してますけど、
アーロと少年
ズートピア
を見ました。
アーロと少年は、見た方は覚えてると思うけど、
少年と恐竜の友情物語……と見せかけて、恐竜が人間を飼うという
「ペットを育てること」がテーマの映画でした。
ズートピアは、かなり考えさせられたので、ちゃんと言葉にしたいです。
みんな大好きテッドの続編。
テッドは動物映画なのか? みたいな話はあると思いますが、
自分でもちょっと疑っていたところがあって、それで前作は見るのが遅れてしまったんだけど、最初の数分のオリジンが語られるところを見て、ああ、やっぱり動物の姿をしたものと人間が交流する映画は動物映画だよなあと。
そんなわけで2も見たんですが、前述の疑問はしっかりテッド2全体のテーマとして語られていたので驚きました。
「テッドとはどんな存在なのか?」がテーマの映画です。
結婚して新婚ホヤホヤのテッドだが、互いに独身の延長線上の夫婦生活はあまり順調とはいかなかった。
満を持して子供を作ろうと模索するが、それもあたわず、テッドは養子を迎えることを決意する。
だが、審査は冷酷にもテッドが養子を取る資格がないこと……すなわち、人間ではないことを看破してしまい、テッドはアメリカ国民の権利を次々と剥奪されていく。
テッドは妻と旧友の協力を得て、裁判により公民権を獲得しようと画策する。
っていう話。
…しかし、ストーリーを解説すると逆に面白さが伝わらない希有な作品じゃのう。
動物の話に限らずだけど、ファンタジー作品は、「なぜそうなっているのか」という聞き手の疑問なくしては成り立たない。
「丁寧に説明する」にせよ、「あえて答えない」にせよ、聞き手の顔をみながら、その疑問に対して何らかのリアクションをしなければならないのである。
人間世界に住む動物たちの物語は、たいてい冒頭で「なぜ、彼らは人間の世界で暮らしていけるのか」が語られる。
前作のテッドの冒頭、テッドが心を持つようになる一連の語りだってそうだ。
こないだみた、パディントンだってそうだ。
(パディントンがどうやって人間の言葉を覚えたか、みんな知っているでしょう)
人間が、神話時代からずっと受け継いできた、世界に対する「興味そのもの」といっていい。
余談になるけど、近年、この「聞き手の疑問」とうまくつきあえないファンタジー作品が多いと感じている。
「ファンタジーだから、細かいところはどうでもいいじゃないか」という言い方をよく目にするし、語りに疑問を差し挟むことを「野暮」とたしなめる人を良く見る。
物語への疑問を許さない風潮なんて、物語の力をあまりにも見くびりすぎていると思うけど、どうでしょうか。
……「脱線したけれど、前作のテッドは、この聞き手の疑問点をはっきり認識しながらもあえて「答えない」方法でリアリティを表現していった。
そして、今回、テッド2は、その疑問……「なぜ、テッドは人間の世界で暮らしていけるのか?」に再び目を向けて、観客を巻き込んでいくのだ。
テッドがただのインモラルコメディ映画ではなく、ファンタジー作品としての矜持を持っていると思うのは、そういうところにある。
そして、この、「何をもって人間とするのか」を、裁判で決めようというのが実によくて、これはファンタジーでも何でもなくて、「公民権をもつ」ということが裁判で争われてきたアメリカでは当然の認識なんだろうなあと思います。
実は、この映画を見る前に「ビハインド・ザ・コーヴ」という動物映画を見たんですが、そこでも全く同じ議論(イルカは公民権を持てるか?)がなされていたという、意味のある偶然もあって、とても面白く感じました。
1960年ごろから過激に論じられてきた、「動物は権利を持つか?」というのは、日本人だと???みたいになりがちだけど、アメリカでは「当たり前の発想」なんだなあと、興味深く思うと同時に、苦しいなあと感じました。
テッドが優れたファンタジー作品である、と大げさにいってみても、結局話の中心になるのはセックスとドラッグと21世紀のアメリカンカルチャーなのである。
(話の中心、というのは文字通り、ストーリーに直接的に絡んでくるという意味だ)
前作とちょっと違うのは、21世紀のカルチャーの描写で、今回はオタクの描写が多い―ー具体的にはコミコンが舞台になる。
コミコンがなんであるかというのは、まあマイリトルポニーを愛してやまない動物映画クラスタの諸兄ならご存知と思いますが、アメリカ最大のオタクのコンベンションだ。
そのオタクたちを巻き込んでのドタバタ劇が、今回のおもしろポイントの一つだ。
特に、マイリトルポニーのピンキーパイフィギュアで殴るシーンは普通に爆笑した。
でも、この場面かなり気になったところが、全体的にオタクを攻撃する絵面で笑いにしようとする意図がちょっと見え見えだったこと。
アメリカの例のヒエラルキーからいえば、そうなるのかもしれないというリアリティは理解できるけれど、ちょっと一億総オタク民族の日本人には苦しい内容だったかと思います。
ついでに、それを助長していた点として、ドラッグについては説教臭くならない絶妙なバランスで、その危険性みたいなことを強調していたのだけれど、オタクの扱いについては特にフォローもなかったというギャップもあったのも、ちょっともやもやポイントだったかなあと。
テッド2を劇場で見る価値があるかについては、
まず良質のファンタジー映画なので1800円。
マイリトルポニーがやたらうつるので+200円。
動物愛護問題のリアリティを感じることができたので+200円。
ドラッグが楽しそうに描かれていたので+100円の、
2300円としておこう。
やっぱり、動物の権利の問題を考えるときには、これは見ておいた方がいいと思います。
道徳的な作品ですねww
「動物のこんな映像とれました」みたいないわゆる動物ドキュメンタリーは
毎年あって、その中でも、なんかこのイギリス系とかアメリカ系とか、
大作が一本くらい公開されるというのが動物映画界の常となっている気がする。
またこんなの? と思うかもしれないけど、
録画環境は日進月歩してるし(4K!! 8K!!)、
撮影場所もテーマも千差万別、
しっかり時間をかけたりしないと撮影できない瞬間もあるので、
いつもなにがしかは新しさがある内容となっている。
というわけで、シーズンズを見てきた。
どうでもいいけど、「動物ドキュメンタリー」っていったときに、
「○○みたいなやつですよね?」っていう、○○の内容が人によって違うのは楽しいよね。
動物ドキュメンタリーをどのシーンからはじめるかというのは興味深い着眼点で、
僕たちが、「どのような世界に入っていけばいいのか?」ということを教えてくれる。
シーズンズの第一印象は、静かな映画だという印象だ。
季節は冬、特に印象的な音楽も、必要以上の語りもなく、
淡々と動物と自然の美を映していく感じ。
動物も、希少性のある映像というよりは、みんなが見たいものを追いかけてくれている。
クマ、オオカミ、ウマ、イノシシ、鳥たち。
特徴的なのは、比較的どの動物たちも「戦い」のシーンが多く、
冗長になりがちな風景に過度に生き生きとしたリズムをつけていた。
中でも特に、オオカミの狩りのシーンは見応えがある。
オオカミの走りを正面から舐め回す迫力のある映像、
追われるウマは巧みな走りでオオカミを翻弄し、
追いすがる群れの中には転倒する個体も……!?
ここで、ちょっと、あれ?ってなるんだけど。
こんなよくできたアングルの映像、どうやったらとれるのかと。
とかなんとか思っている間にも、動物を変えて次々とかっこいい映像が展開されていく。
その疑問が最高潮に達したときーーそれまで潜んでいた「人間たち」が、作中にはっきりと姿を表す。
そしてこのとき、誰しもこの映画が何をしようとしているかを「覚悟」できるのである。
「ああ、そういうことだったのか」とww
この場面、メッセージ系動物映画が大好物なコヨーテが大喜びしたのはいうまでもない。
人間が出てきてからは、話が早い。
序盤で野生の限りを尽くしていた動物たちは、次々と家畜化されていき、
人間の住む風景と同化していく。
なるほど、ここまでくると、序盤の動物のセレクトも伏線だったことがはっきりしてくる。
シーズンズというタイトルから、僕は季節をテーマにした作品であると思っていた。
けれど、この映画の季節は、序盤からめまぐるしく移りかわっていき、
一つの季節を掘り下げるという、「よくある」動物映画ではなかった。
人間たちの物語の中で、「冬」の語りが強調されるという構造こそが、シーズンズの季節論である。
自然保護の観点ではよくある比喩ではあるけれども、
動物映画ではっきりここを中心としている作品は少ない。
最後にちょっとそのことを匂わせるタイプの映画はあっても、その中心的なテーマのために映画を構成した例は珍しいと思った。
中盤から人間が出てくるところ、後半で「歌」がはいるところなど、
前半と後半のギャップをつくるためのしかけになている。
好みが分かれる、という評価が多いのはここだろう。
そんなわけで、一度テーマと構成を理解してしまえば、
そもそもの映像美も手伝って、あとはとても愉快に見られる映画ではある。
一番よかったのは、第一次世界大戦のシーンで、
戦場で多くの血が流れているのに、
生物たちは淡々とそれぞれの生を生きているという、
これまでどの動物映画でもみなかった映像になっていた。
そして、塹壕に流れ込むマスタードガスが、次の場面の殺虫剤との対比になっている。
場面ごとの印象を強調して相乗効果を引き出していく、
こういう細かいケアができる動物映画が増えてほしいと思います。
シーズンズを映画館で1800円払ってみる価値があるかというと、
まず、オオカミが過剰にでてくる動物ドキュメンタリーで1800円。
挿入歌がある動物映画は名作なので+200円。
説教の時間が長いので+100円。
の、2100円としておこう。
ガンバというか。
小説「冒険者たち」は、自分の中での聖典の一つで。
初めて読んだのは小学生の頃だった。
アニメ版は、床屋のテレビでちょいちょい見ていて、
やはり残虐なノロイの印象が強く記憶に残ったものだけど、
原作の方は、人に勧められて、というか知り合いの大人が書いてた
ブックレビューを見て、読むことにきめた。
でも、そのときのガンバは自分にとっては
数あるおもしろい小説の一つでしかなかった。
大きくなって、動物の物語に生きるきっかけになったのは、
「ウォーターシップダウンのうさぎたち」だけど、
動物の物語に人生を賭けようと思ったのは、
このガンバ、正確に言うと「ガンバとカワウソの冒険」だったりする。
そのくらい、ガンバというのは自分の中で重要な人生の一部となっている。
そんなわけだから、ガンバというとみんな思い出すアニメの方のやつは、自分はあんまり好きじゃなかったりする。
バリバリの原作厨というやつです。
そんな自分にとっての、今回のGAMBAの再映像化なわけですが。
実は、見る前からある程度の感想はできていたりしたわけです。
まず、映像化されただけで1800円。
ノロイが言葉をしゃべったら+300円で、
潮路が泣いたらー300円、泣かなかったら+300円、
海がきれいだったら+300円。
そのくらいで、イタチとネズミの戦いがどう表現されるかとか、
1、2の半で誰が死ぬのかとか、
そういうことはあんまり気にしてなかった。
自分が、ガンバに求めているものって、ほぼその3つなんです。
一番心配していたのは、
ノロイがただのモンスターとして描かれてしまうこと。
言葉もなく、凶器の眼でネズミたちを追いつめ、引き裂くイタチ、
みたいなのはとても強力な相手ではあるとおもうけど、
ノロイが強敵だったのは、力のみによる支配ではなかったからだと思うからです。
(そして、余談ですが、その不安はアニメ版のガンバとカワウソの冒険で的中してしまいます。四の島の冒険が、力による恐怖で彩られているだけだったら、ガンバは「冒険をやめよう」とは言わなかったと思うからです)
だから、まず何よりも、ノロイが言葉を話すことを心から望んでいました。
最初にキャストが発表されたとき、ノロイだけは発表されなかったので、ずいぶんと心配しました。
けど、野村萬斎でした。
ほんとうによかった。
2番目に、ヒロイン潮路の存在。
潮路は、とても強く、理性的な女性として描かれます。
それを端的に表したのが、「決して泣かない娘」という表現で、
自分にとって、ずっと忘れることのできないキャラクターでした。
なので、いくら21世紀になって動物の物語が進化したといっても、
「ガンバさん! 死なないで!」みたいな感じで軽々と泣くような
キャラに変貌していたら、すごくいやだった、という、こだわりです。
3番目に、海の美しさ。
よく、懐かしのアニメ特集みたいなのでガンバがでると、
この「初めてガンバが海をみたシーン」が紹介される気がします。
それも、ガンバの感動をよく描いているんですが、
このお話にとっての海の美しさとは、
「折に触れてガンバが海の美しさを語る」ことで成り立ってると思います。
海が命を奪おうとするときも、イタチの恐怖に耐えているときも、
ガンバは海の美しさを語る。
それが、オオミズナギドリのツブリがいった、「詩人の目ではない」生き方なのです。
ので、「CGではない」海の美しさを期待していた、ということです。
という感じの期待感で、見に行きました。
わざわざ3Dで。
あらすじ
ドブネズミのガンバは、海を見に訪れた港で、
イタチが救う島から逃れてきたネズミ、忠太にであってしまう。
イタチの名はノロイ、白い悪魔と呼ばれるその存在に、
荒くれの船乗りネズミたちも、おそれをなし、
誰も忠太を助けるものはいない。
それでもガンバは、ノロイとの対決を決意し、覚悟を決めたわずかな仲間たちともに忠太の故郷、「夢見が島」を目指した。
イタチの監視をかいくぐり、島のネズミと合流したガンバと仲間たちは、海岸の岩場に砦を作り、ノロイと対峙するのであった。
みたいな話。
というわけで、もう書くべきことはいい散らかしたのでまとめ。
まず、映像化されただけで1800円。
この青いガンバが、21世紀の子どもたちの新しいヒーローになってくれることほど、すばらしいことはないと思っています。
そして、ノロイがきっちり話をしてくれたので+300円。
知性と破壊の2面性のギャップは、後半の戦いの流れとも相まってよくでていたと思います。
潮路は、まあ、うん。
海の美しさは……いや、きれいだったけど、自分が好きな海に関するせりふがことごとくなくなっていたのは正直ちょっと残念でした。
というわけで2100円かなあ。
あ、でもキャラクターは結構いい感じだったので+200円。
キャストもよかったし、ガクシャが武闘派っぽく描かれていたのは、昔イタチと5分で渡り合っていたという昔話を汲んでる感じのでよかった。
ということで、2300円としておこう。
みんなこの映画を見て、ガンバが好きになって、動物の物語が好きになって、ガンバとカワウソの冒険が映画化されればいいと思います。
ほんと、なんか煮え切らない感想しかかけないおいらだけど、
原作よりあきらかによかったところもあったんですよ、ということは強く主張しておきたい。
終わり。
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