また、2013年くらいまでの動物映画レビューに「動物映画」タグを付けました。
ズートピアの感想をとめたままニクジュディ画像など眺めてしまいます
また、2013年くらいまでの動物映画レビューに「動物映画」タグを付けました。
ズートピアの感想をとめたままニクジュディ画像など眺めてしまいます
新しいものから2014年までのレビューのタグを動物映画タグに付け替えてみた。
まだ2014年まではがんばってみてるねえ
また放置してますけど、
アーロと少年
ズートピア
を見ました。
アーロと少年は、見た方は覚えてると思うけど、
少年と恐竜の友情物語……と見せかけて、恐竜が人間を飼うという
「ペットを育てること」がテーマの映画でした。
ズートピアは、かなり考えさせられたので、ちゃんと言葉にしたいです。
みんな大好きテッドの続編。
テッドは動物映画なのか? みたいな話はあると思いますが、
自分でもちょっと疑っていたところがあって、それで前作は見るのが遅れてしまったんだけど、最初の数分のオリジンが語られるところを見て、ああ、やっぱり動物の姿をしたものと人間が交流する映画は動物映画だよなあと。
そんなわけで2も見たんですが、前述の疑問はしっかりテッド2全体のテーマとして語られていたので驚きました。
「テッドとはどんな存在なのか?」がテーマの映画です。
結婚して新婚ホヤホヤのテッドだが、互いに独身の延長線上の夫婦生活はあまり順調とはいかなかった。
満を持して子供を作ろうと模索するが、それもあたわず、テッドは養子を迎えることを決意する。
だが、審査は冷酷にもテッドが養子を取る資格がないこと……すなわち、人間ではないことを看破してしまい、テッドはアメリカ国民の権利を次々と剥奪されていく。
テッドは妻と旧友の協力を得て、裁判により公民権を獲得しようと画策する。
っていう話。
…しかし、ストーリーを解説すると逆に面白さが伝わらない希有な作品じゃのう。
動物の話に限らずだけど、ファンタジー作品は、「なぜそうなっているのか」という聞き手の疑問なくしては成り立たない。
「丁寧に説明する」にせよ、「あえて答えない」にせよ、聞き手の顔をみながら、その疑問に対して何らかのリアクションをしなければならないのである。
人間世界に住む動物たちの物語は、たいてい冒頭で「なぜ、彼らは人間の世界で暮らしていけるのか」が語られる。
前作のテッドの冒頭、テッドが心を持つようになる一連の語りだってそうだ。
こないだみた、パディントンだってそうだ。
(パディントンがどうやって人間の言葉を覚えたか、みんな知っているでしょう)
人間が、神話時代からずっと受け継いできた、世界に対する「興味そのもの」といっていい。
余談になるけど、近年、この「聞き手の疑問」とうまくつきあえないファンタジー作品が多いと感じている。
「ファンタジーだから、細かいところはどうでもいいじゃないか」という言い方をよく目にするし、語りに疑問を差し挟むことを「野暮」とたしなめる人を良く見る。
物語への疑問を許さない風潮なんて、物語の力をあまりにも見くびりすぎていると思うけど、どうでしょうか。
……「脱線したけれど、前作のテッドは、この聞き手の疑問点をはっきり認識しながらもあえて「答えない」方法でリアリティを表現していった。
そして、今回、テッド2は、その疑問……「なぜ、テッドは人間の世界で暮らしていけるのか?」に再び目を向けて、観客を巻き込んでいくのだ。
テッドがただのインモラルコメディ映画ではなく、ファンタジー作品としての矜持を持っていると思うのは、そういうところにある。
そして、この、「何をもって人間とするのか」を、裁判で決めようというのが実によくて、これはファンタジーでも何でもなくて、「公民権をもつ」ということが裁判で争われてきたアメリカでは当然の認識なんだろうなあと思います。
実は、この映画を見る前に「ビハインド・ザ・コーヴ」という動物映画を見たんですが、そこでも全く同じ議論(イルカは公民権を持てるか?)がなされていたという、意味のある偶然もあって、とても面白く感じました。
1960年ごろから過激に論じられてきた、「動物は権利を持つか?」というのは、日本人だと???みたいになりがちだけど、アメリカでは「当たり前の発想」なんだなあと、興味深く思うと同時に、苦しいなあと感じました。
テッドが優れたファンタジー作品である、と大げさにいってみても、結局話の中心になるのはセックスとドラッグと21世紀のアメリカンカルチャーなのである。
(話の中心、というのは文字通り、ストーリーに直接的に絡んでくるという意味だ)
前作とちょっと違うのは、21世紀のカルチャーの描写で、今回はオタクの描写が多い―ー具体的にはコミコンが舞台になる。
コミコンがなんであるかというのは、まあマイリトルポニーを愛してやまない動物映画クラスタの諸兄ならご存知と思いますが、アメリカ最大のオタクのコンベンションだ。
そのオタクたちを巻き込んでのドタバタ劇が、今回のおもしろポイントの一つだ。
特に、マイリトルポニーのピンキーパイフィギュアで殴るシーンは普通に爆笑した。
でも、この場面かなり気になったところが、全体的にオタクを攻撃する絵面で笑いにしようとする意図がちょっと見え見えだったこと。
アメリカの例のヒエラルキーからいえば、そうなるのかもしれないというリアリティは理解できるけれど、ちょっと一億総オタク民族の日本人には苦しい内容だったかと思います。
ついでに、それを助長していた点として、ドラッグについては説教臭くならない絶妙なバランスで、その危険性みたいなことを強調していたのだけれど、オタクの扱いについては特にフォローもなかったというギャップもあったのも、ちょっともやもやポイントだったかなあと。
テッド2を劇場で見る価値があるかについては、
まず良質のファンタジー映画なので1800円。
マイリトルポニーがやたらうつるので+200円。
動物愛護問題のリアリティを感じることができたので+200円。
ドラッグが楽しそうに描かれていたので+100円の、
2300円としておこう。
やっぱり、動物の権利の問題を考えるときには、これは見ておいた方がいいと思います。
道徳的な作品ですねww
「動物のこんな映像とれました」みたいないわゆる動物ドキュメンタリーは
毎年あって、その中でも、なんかこのイギリス系とかアメリカ系とか、
大作が一本くらい公開されるというのが動物映画界の常となっている気がする。
またこんなの? と思うかもしれないけど、
録画環境は日進月歩してるし(4K!! 8K!!)、
撮影場所もテーマも千差万別、
しっかり時間をかけたりしないと撮影できない瞬間もあるので、
いつもなにがしかは新しさがある内容となっている。
というわけで、シーズンズを見てきた。
どうでもいいけど、「動物ドキュメンタリー」っていったときに、
「○○みたいなやつですよね?」っていう、○○の内容が人によって違うのは楽しいよね。
動物ドキュメンタリーをどのシーンからはじめるかというのは興味深い着眼点で、
僕たちが、「どのような世界に入っていけばいいのか?」ということを教えてくれる。
シーズンズの第一印象は、静かな映画だという印象だ。
季節は冬、特に印象的な音楽も、必要以上の語りもなく、
淡々と動物と自然の美を映していく感じ。
動物も、希少性のある映像というよりは、みんなが見たいものを追いかけてくれている。
クマ、オオカミ、ウマ、イノシシ、鳥たち。
特徴的なのは、比較的どの動物たちも「戦い」のシーンが多く、
冗長になりがちな風景に過度に生き生きとしたリズムをつけていた。
中でも特に、オオカミの狩りのシーンは見応えがある。
オオカミの走りを正面から舐め回す迫力のある映像、
追われるウマは巧みな走りでオオカミを翻弄し、
追いすがる群れの中には転倒する個体も……!?
ここで、ちょっと、あれ?ってなるんだけど。
こんなよくできたアングルの映像、どうやったらとれるのかと。
とかなんとか思っている間にも、動物を変えて次々とかっこいい映像が展開されていく。
その疑問が最高潮に達したときーーそれまで潜んでいた「人間たち」が、作中にはっきりと姿を表す。
そしてこのとき、誰しもこの映画が何をしようとしているかを「覚悟」できるのである。
「ああ、そういうことだったのか」とww
この場面、メッセージ系動物映画が大好物なコヨーテが大喜びしたのはいうまでもない。
人間が出てきてからは、話が早い。
序盤で野生の限りを尽くしていた動物たちは、次々と家畜化されていき、
人間の住む風景と同化していく。
なるほど、ここまでくると、序盤の動物のセレクトも伏線だったことがはっきりしてくる。
シーズンズというタイトルから、僕は季節をテーマにした作品であると思っていた。
けれど、この映画の季節は、序盤からめまぐるしく移りかわっていき、
一つの季節を掘り下げるという、「よくある」動物映画ではなかった。
人間たちの物語の中で、「冬」の語りが強調されるという構造こそが、シーズンズの季節論である。
自然保護の観点ではよくある比喩ではあるけれども、
動物映画ではっきりここを中心としている作品は少ない。
最後にちょっとそのことを匂わせるタイプの映画はあっても、その中心的なテーマのために映画を構成した例は珍しいと思った。
中盤から人間が出てくるところ、後半で「歌」がはいるところなど、
前半と後半のギャップをつくるためのしかけになている。
好みが分かれる、という評価が多いのはここだろう。
そんなわけで、一度テーマと構成を理解してしまえば、
そもそもの映像美も手伝って、あとはとても愉快に見られる映画ではある。
一番よかったのは、第一次世界大戦のシーンで、
戦場で多くの血が流れているのに、
生物たちは淡々とそれぞれの生を生きているという、
これまでどの動物映画でもみなかった映像になっていた。
そして、塹壕に流れ込むマスタードガスが、次の場面の殺虫剤との対比になっている。
場面ごとの印象を強調して相乗効果を引き出していく、
こういう細かいケアができる動物映画が増えてほしいと思います。
シーズンズを映画館で1800円払ってみる価値があるかというと、
まず、オオカミが過剰にでてくる動物ドキュメンタリーで1800円。
挿入歌がある動物映画は名作なので+200円。
説教の時間が長いので+100円。
の、2100円としておこう。