動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

疫病犬と呼ばれて

「犬は、人間が求めることをけっして拒まない。犬ってものは、そのためにいるんだからな。
だから、やつらが水に―水につかれと命じれば―おれは―」

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=10692
リチャード・アダムズ作品。
動物実験施設から二匹の犬が逃げ出すお話。
どこにも売ってなくて図書館で借りた。
そのうち手に入れたいが。


巻頭に、ピーター・シンガーの名前がでていることからもわかるのだが、
1970年ごろから盛んになった動物の権利論、アニマルライツの流れを汲んだ
社会派動物文学である。
とはいっても、イカは痛みを感じないから普通に殺してOKとかそういう面倒な議論を描いているのではなくて、
あくまで二匹の犬の物語だから、思想性が鼻につくとか、そういった類のものではない。


物語は、実験施設から逃げ出し、英国の湖水帯をさまよう犬を描く『犬パート』と、
機密実験の謎を追うジャーナリストと、研究者、環境省がそれぞれの思惑で争う『人間パート』に別れている。
非常に器用な作品という印象。



リチャード・アダムズの本は書影が残ってなくて探しにくいのだよな。
これから探す人の力になれれば。
心ある人は復刊投票もよろしくお願いします。