動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

 野性伝説7 飴色角と三本指

どうも最近は偶蹄類がお気に入りのようだ。


昭和中期、特別天然記念物であるカモシカを密猟するものたちの物語。
三本指の猟師は、美しい飴色の角を持つカモシカを狙う。
しかし、彼は小深沢の主にふさわしい知恵と本能で三本指を翻弄するのであった。


矢口高雄の描く三本指に、どこか違和感を感じていた。
果たして、三本指は『ゲーム』に負けたのか。
人間の罠も、銃も、巻山も通用しない飴色角を追い詰めた三本指は、
なぜこうも簡単に負けを認めたのか。


RPGの話をしよう。
『物語を読んでいて、自分ならこの場面でこうするのに、と思ったことはありませんか。
RPGでは、あなたは物語の登場人物となって自由に……』
よくあるRPGの解説フレーズだ。
僕が三本指なら。
これは敗北ではない。
俺は『ゲーム』に勝利した、と荒れ狂う吹雪の中、
高らかに宣言するのだ。


そんな違和感を拭い去れないまま、原作にあたる。
吹雪の中、三本指は本当は何を叫んだのかを知るために……
そして、そのあまりに明白な真相に、
僕は少々拍子抜けしてしまったのだった。