動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

きな子 〜見習い警察犬の物語〜

http://www.kinako-movie.jp/

夏の動物映画の目玉的タイトルのきな子。
きな子という犬がいるのは知ってた。
警察犬の試験で落ちまくってるけど、
どうも動画を見るとイマイチやる気もないように見えて、
うーん物語だなーと思っていたら、あっという間に映画になってしまった。


そもそも自分の中ではきなこっていったら円山動物園のオオカミで、
死んじゃったあんこのことがそのたびにぼんやり思い出されるみたいな感じで、
なめんなよ! と思ってたんだけど、
こうして映画になってしまったからには、彼らは名前を奪われたオオカミ族として生きる他あるまい。
(この辺は、どうも本人たちも気にしていたようだ http://sapporo.100miles.jp/zoo_zakki/article/210


そんな感じの期待感で観に行ったきな子。
サービスデイだったこともあったのか、じいさんばあさんばっかりの60人くらい。
これまで見た動物映画の中ではトップクラスの人入り。
この時点できつねと私の12ヶ月の6倍以上素晴らしい作品と言ってもよい。


素質がないのに警察犬の訓練を受けるラブラドール・レトリバー、ということで、
見習い訓練士ときな子が二人三脚で育っていく話なのだが、
犬と私の10の約束みたいに、細かいところを丁寧に作るっていう
最近の邦画のいいところを感じさせる出来。
人間をいっぱい出しておきながらも、
ちゃんと全員生きてて、コミカルかつギリギリ鼻につかない演技とか、
久しぶりに映画で人間に着目した気がする。
特に目の演技が好きだった。
全体的にも、前半は文句なし、中盤少し雑だなと思ったところはあったけど、
ちゃんと折り込みつつの後半っていう印象で、清々しく鑑賞できた。


ラストシーンは、周囲のじいさんばあさんからも疑問の声が上がったほどの超展開。
だけどさ、これは、この映画が描いてきた、
「アイドル犬とは何か」っていうテーマと全く切り離せないものだから、仕方がないよ。
なんかハルウララといい、きな子といい、
四国のアイドル動物が抱える心の闇は計り知れないものがあるなあと
思い知らされた映画だった。
言葉にできなさすぎて、きな子ブログを直視できないよ。


1800円で見る価値があるかどうかについては、
じいさんばあさんがカワイイを連呼していたので1500円。
きな子のパートナーがあんこっていう名前で、
やっぱり円山動物園的な何かだったので+500円。
Metisっていう人が主題歌を歌ってるのがちょっとワーウルフ的なので+200円。
きな子の物語は現在進行形で進んでることを鑑みて+500円の
2700円の価値としておこう。