動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

塔の上のラプンツェル

http://www.disney.co.jp/movies/tounoue/
ディズニー最新作。
さらわれて塔の中に幽閉されたラプンツェル
空に上る不思議な光の正体を求めて脱出を試みる話。


ディズニーといえば
というかファンがディズニー新作に期待することって
・プリンセス
・魔法
・歌
・ロマンス
だと思うわけでたぶん異論はないと思うけど、
今回のラプンツェルは、そのどれもが、完全に新しかった。


もちろん、これらのモチーフフル回転って時点で、過去のプリンセスものを完全に下敷きにしてるんだけど、
それでも、一つ一つの切り口が新しい。
プリンセスと魔法のキスの時ともだいぶ違っていて、
カエルの時は、過去のセオリーをちらつかせつつ、変化球中心に勝負した感じだった。
でも、今回は全部力押しというか、新しい低反発球を使いながら、(アラン・メンケンという名捕手のリードもうけつつ)
なお歴史上の名投手と遜色ない剛球を投げ込んでくる感じだ。


つまり、カエルは2週目の作品だが、ラプンツェルは3週目の作品なのだ。


ディズニーが、21世紀に試行錯誤して創り上げた新しいプリンセス像。
それが、ついに完成して、実戦投入されて、そのものすごい物語力に、みんなびっくりした、っていうのが
一番適切で誠実な感想だと思う。


日本で、想像もできない大災害が起こって、
たくさんの方がどうしようもない日々を送っていて、
被害が少なかった人たちも、元気が無くなってしまった。
僕もその一人だ。
そして、このラプンツェルも、公開初日に都内の映画館は休業になり
おそらく日本での興行成績は、目を覆うようなものになるとおもう。


でも、
ディズニーは3週目に入って、その3週目からいきなり最高の作品を叩きつけてきたし、
僕は映画を見ることで、心が開放されて楽しい気分になるという感覚を、ずいぶんと久しぶりに、はっきりと感じることが来た。
ディズニーの魔法ってそういうものだと思うし、
今この苦境において、この作品が公開されているというのは、僕は明るい話題の1つのように思える。


だから、もしファンの人で被災されて、明るい気分になれない人がいるのなら、
このラプンツェルという作品が、素晴らしい評価を受けているという事を知ってほしいし、
もう一度、映画を見られるような生活に復興していくことを、心待ちにしていいと思う。
遠くから立ち上る『星ではない光』を見て、塔の中で希望を育み続ける。
ラプンツェルって、そういう娘なんです。