動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

追記

DVDがリリースされたので、もう一回この作品を見た。
それで、今まで気持ち悪かったことが、すべて解消した。
この映画のいいところと許せないところは、
全部入りの国産スマートフォンの関係に似ている。
この映画には、みんなが欲しかったものが全部入っている。
ワンセグも、赤外線も、LTEも、キャリア専用アプリも、
全部入っている。


でも、それを入れるために、そのハード自体の本当の性能が、
スポイルされているのだ。
僕がこの作品に望んでいたのは、
というか、すべてのオオカミを語る人が背負う運命は、
ワンセグでも、赤外線でも、田舎の優しさでも、森のファンタジーでもない。
オオカミだ。
オオカミというブランド、つまり思想だ。


その、ブランドらしい作りをなくしてまで、全部入りの携帯を作ったこと。
それ自体は悪いことではなくて、
皆に受け入れられる物語になり、21世紀のおおかみこどもを生む結果となった。
でも、本当に欲しかったのは、オオカミという動物に正面から向かい合う人間像だった。


だから、この物語は、動物映画の入門として、誰にでも自信を持って進められる。
僕がこの映画を見た時、これは嫌いだけど素晴らしいと思ったのは、そういうことだったんだ。
この映画に疑問を持つとき、おおかみこどもたちの「違う歌」がはじまるのだ。