動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

弦奏王

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そして、女は愛する者の名を叫んだのだった。

入手。そして、あっとういう間に消費してしまった。
人間の心の琴線を、弦奏士シャインは直接奏でることができる。
そんな彼が旅のさなか出会った人々の物語。

ウィザードリィ4のノベライズ『ワードナの逆襲』を読んでからというもの、
手塚一郎作品を、現在から過去に向かって追いかけてきたわけで、
なんとか黎明期の作品までたどりつきました。


ワードナやこの間読んだリネージュ2辺りが、私の手塚作品のイメージなのですが、
この『弦奏王』は、それとはまた違った、新鮮な印象をうけました。
先に紹介した二作は、率直に言えば「やりやがったな」と唸ってしまうような
どこか攻撃的なオーラに満ちた物語の作られ方をしていて、
そこがとても恐ろしく、かつ共感できるところでもあるというのが魅力なんですが、
『弦奏王』は、そういう難しさみたいなのは、あんまりない。
ただただ、「やさしいはなし」を流れるような描写でつづっていると。
その流れ方が、心地よくかつ(いい意味で)気持ち悪いと。
好き嫌いのわかれそうな独特のリズムがありますね。


内容としては6本の独立した話で構成されているのだけれど、
全体のストーリー自体は完結してないので残念です。
続きが語られることがあるのかな?
だいたい、王になってないし。
それくらいのことが伝えられれば、とりあえず良いかなと思います。