動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

無題

「素敵な我が家」は、いつにもまして暖かかった。
集落中のプレーリードッグたちが、秋集会のために集まってきたからだ。
ブレイブは、長老のそばを守るといいながら、この穴で二番目に暖かいところに座った。
中央では、スピーカーとスカウトが、子どもたちに囲まれて、子どもたちの語る噂話に嬉しそうに耳を傾けていた。
センチネルも、警戒に飽きて穴に戻ってきたし、
長老はそれを見ても、叱ったりせずに優しく迎え入れた。
新月の闇の中でわれらを探そうとするコヨーテもいまい。
見張りの彼とて、たまには物語が聞きたいのだ。」
何の話にしましょうか、と誰かが長老に尋ねた。
「まだ、この中で最初の言葉の物語を聞いてないものもいたはずだな?
今日は、それにしよう。」


スピーカーは、長老がこの話がとても好きで、特に声を変えるために、
深く掘った穴の空気を吸い込む時の音を楽しみにしていることをよく知っていた。
それで、今回はどんな音にしてやろうかと考えながらも、いつもの調子で語り始めた。
「僕たちは今ではこうして、たくさんの言葉を使う事ができる。
言葉を使って、おはようやおやすみをいうこともできるし、
言葉を使って怪我を治したり、言葉を使って傷つけたり、
敵を追い払ったりすることもできる。(ここで、ブレイブは満足そうにうなずいてみせた)
でも、最初のプレーリードッグの子どもたちが生まれたばかりのころ、
ご先祖様は、言葉といえば
エプソンダイレクトの「Endeavor NT340」欲しい!』しかしゃべれなかったんだ。」
カイノス王が、いろんな言葉を喋れるようにしたんだね!」
スピーカーは嬉しそうに目を細め、子どもの頭をなでてやった。