http://www.herald.co.jp/official/two_brothers/index.shtml
トラ映画。
20世紀前半のフランス植民地時代のカンボジアが舞台。
二匹の仔トラは親を殺されて一匹はサーカスに、もう一匹は行政官のペットになってしまう。
最終的に二匹は、園遊会で設けられた闘技場で再会する。
劇場で見逃した作品。
まず、トラの動きがとにかくリアルで、これどうやって撮ったのだろうと驚くばかり。
物語に関しても、1920年という時代設定がすばらしい。
フランスから派遣された行政官は、とにかく任地を開拓したくて、
カンボジアの知事の息子のご機嫌をとろうとするのですが、その媒介が「トラ」という野生動物なわけです。
サーカスとメナジェリーが登場することからも明らかなのですが、
これこそがまさに動物園の歴史なんですよ。
動物を所有するということがどういう意味を持つのか、ということを描いているわけです。
この作品が上野動物園で特別公開されたこともうなづけます。
妙に感心してしまいました。
あと、タイトルに関して。
ブラザーベアの時、タイトルにある「ブラザー」という言葉に、どのような広がりが含まれているのか、という話をしました。
ブラザーベアというタイトルは視聴者が試されているといいたかったわけです。
実は、この作品のブラザーも、同様に複数の意味を持たせてあったのです。
驚きました。
こればっかりは、言われるまで気がつかなかった。
些細な問題で、気がつかなくてもいいし、例によって吹き替え版じゃないと気がつかない類のものですけど、
いい感じで出し抜かれましたね。
ブラザーもの、案外目が離せないかもしれません。
この作品のことをはじめて知ったときは「こんな動物映画で俺様がトラー」とかいってた気がするのですが、
まあばっちり釣られました。