動物映画D20

動物映画をたんたんと見続けるコヨーテなのでした。 

ロック〜わんこの島〜

http://www.rock-wanko.com/

僕は動物映画が好きだけれども
いつもいつもわくわくしながら映画館にいるわけじゃない
単純に好き嫌いもあるし
それ以上に、『なんかヤバい』って思うときがある。


動物映画が好きな人ならわかるとおもうけど
この『ヤバいかヤバくないか』っていうのは、
公開を知った瞬間に本能で気づくことがおおくて
そしてその本能は50%以上の確率であたるし
外れたときは、すごく清々しい気持ちになるから、
ヤバかろうがヤバくなかろうが、
どのみち映画館にはいくわけだ。


その意味では、
この『ロック〜わんこの島〜』のヤバさは、
見えている地雷といってもいいくらいだった。
僕はがんばって地雷を踏んで、
ちょっとシニカルな笑いを浮かべながら
見てる最中にいいとこ探しでもすればいいや
くらいの気持ちでいたのだけれど、甘すぎた。
いうなれば、
見えている地雷を勇気を出して踏み抜いたら
大爆発したあげくに温泉が湧いたけど、
人が入れる温度じゃなかった 
みたいな映画だった。
大噴火した三宅島から、犬を置いて逃げ出す島民たち、
置いていかれた犬と家族との絆が……とか
そんなヌルい映画でないことは確かだ。


全体的には、
なんとなく動物映画にリスペクトと悪意を同時に感じる作りで、
最初は普通の動物映画っぽいな……という気分で見ていたはずが、
とつぜん変化球を投げ始めて破天荒な展開になっていき、
もしかして動物映画じゃないのかも……という気持ちになったあたりで、
また動物映画っぽい目線に戻ってくる、みたいな
生かさず殺さずの魅力みたいなのは確かにあった。
ところどころのパーツ自体はなかなか真剣味があるので、
まとめると動物映画に飽きつつある上級者向け映画群の
登竜門的な作品のような気がする。


という事を踏まえた上で、
この映画を見たほうがいいかどうかという話をするならば
見ようかどうか迷うくらいの決意なら、
他に面白い映画があるだろ……って思うけど
どうしてもこの映画を見ないといけない理由がある『選ばれた人 (Chosen One)』なら
きっと想像以上の衝撃をうけるはずだ。
という感じでどうでしょうか。


1800円で見る価値があるかどうかについては
21世紀の動物映画の光と影を同時に見られるという斬新さで1500円。
『人は、すぐに忘れてしまう』というテーマを心から実感できる作りなので+300円。
ロックっていう名前のつけ方が動物映画っぽかったので+200円。
少年のモノローグが良くも悪くも動物映画っぽいので+300円。
映画のタイトルのくせにロックがなんかアイテムみたいな扱いだったので+300円の
2600円としておこう。
でも、全体の70%は動物がでてこないか出てこないに等しい時間だったので
7割引して780円としておこう。
とはいえ1000円以下ってのはあまりになんなので
だんだん退屈になってきて、ロックって名前を呼ばれた回数を数えはじめてしまった人のために、
ロックが名前を呼ばれるごとに+10円としておこう。


まあしかし開幕3秒でお茶吹いた動物映画は生まれてはじめてだな。