ネコのこと
学生時代は祖父母の家に居候していたんですが。
なんか好き勝手生活して迷惑だった部分もありつつも、孫と一緒に暮らせるという祖父母の夢を一つ叶えられていたのだろうなと今では思います。
それはそれとして、家にはネコがいました。
祖母が小動物を拾ってきたり餌付けしたりするのが好きだったので、その流れで野良猫を飼っていました。
一緒に住み始めてから2年くらいは、向こうもそっけなく、こちらもお互いに干渉しないように生きていたかんじでした。
ところが、3年目くらいに祖母が仔猫を拾ってきたことで家のパワーバランスが変化。
彼女は祖母から可愛がられる仔猫に、かなり敵意を感じているように見えました。
そこで、コヨーテは彼女とコミュニケーションをとり始めました。
いやーわかるよ家に新しい猫が来てさぞかし不愉快だろうねえみたいなことをやり続けた結果、加速度的に仲良くなった気がします。
いつしかコヨーテとネコの間には謎のルーチンが出来上がりました。
僕が朝起きて食卓にいくと、ネコも起きてきて、2階からトットットと階段を降りてきます。
そして、朝食をとっている自分の足元に来て、足に体を擦り付ける挨拶をします。
次に、軽くジャンプして食卓に上がり、コヨーテが何かを食べているのをじっと眺めています。
食べ終わると、皿をチェックしようとしてくるので、ここでネコを食卓からおろす。
すると今度は、窓際に移動するので、ネコを足先に挟んで一緒に庭を眺める。
という具合。
コヨーテが東京に行ってしまったので死の間際には立ち会えなかったのは心残りですが、とても良い関係だったと今でも思っています。
こと現代において、ネコと人間の関係は半ば逆転しているように見えて、「人間がネコを飼っているのではない、ネコが人間を下僕にしているのだ」という主張が多いように思いますが、僕と彼女の関係は決してそういう関係ではなくて、祖母とは「飼い主と飼い猫」であり、コヨーテとは「対等な友達」であったように思います。
トラという名前のネコでした。
唐突にこんな話をした理由は二つあります。
一つは、時間が経ってくると、トラと過ごした日々を忘れてしまいそうだったからで、前は2年に一回くらいは夢に出てきたんですが、最近は出てこないので、ちょっと薄情だなあという気持ちがあったのと、
もう一つは、もう1匹のネコ「チビ」の話も、いずれこんな風に書いておかないといけないだろうと思ったからです。
ってな感じで。
日記ですね。