渋谷のTSUTAYAが、なんとVHSレンタルコーナー拡張ということで
ちょうど折りよくVHSデッキを押し入れから出して設置していたこともあり、
レンタルにいってみた。
その中で、多分これはかんたんには見られないだろうな〜と思う動物映画をチョイス。
少年と犬
というわけで、少年と犬ということである。
VHSなのでテレビ直撮り。器用だろ?
どんな話
西暦2043年、何回かの世界大戦を繰り広げて完全に荒れ果ててしまった世界で、少年(青年に見えたが……)と言葉をしゃべる犬が孤独に旅をする。
なんかいわゆるマッドマックスみたいな世界なので、大事なのは食料の確保。
そしてその次は女 の略奪。
という方程式により出会った女は「地下」の住人なのだった。
女に連れられて青年は不思議な地下の国に住むが、そこではある不思議な風習が……。
みたいな話。
犬の話をしなかったけど、ブラッドさんという犬が出てくる。
ブラッドさんは非常に飄々としていて、あんまり物事にも動じない。
相棒の少年ヴィックが怒って怒鳴っていても、いつものことのように受け流す。
それが、彼自体の淡々として聡明な語り口によくあっている。
現代の動物映画の魔法であるところ「CG」のように、感情豊かに喋っているようにはみえないが、しかしその一挙手一投足は、たしかに「彼が喋っている」というより「会話をしている」ようにしか見えないのである。
口パクや表情で言葉を表現する動物の映画が大好きだが、この撮り方は非常に心象が強かった。
だから、ブラッドは一瞬たりとも「かわいい犬」ではなかったが、どこまでも人生をともに歩んでくれる「人間の希望としての犬」そのものだったし、それが孤独な荒野や暴虐な地下世界に映えていた。
実際はそんなに面白い感じではなかったが、それはこの作品が1975年の作品であり、僕はマッドマックスとか北斗の拳とかメタルマックスとかを知っているからなのだろう。
だけど、(その頃冷戦がどうだったとか、あんまりよくしらないけれど、)当時の人たちはきっと、たとえ今この瞬間に世界が終わったとしても、自分の隣に犬がいてくれさえすれば、案外楽しく生きていけると思ったに違いない。
なんか自分の中であんまり盛り上がった映画ではなかったけど、
ちょっと感想でも書こうと思ったら以外と好きなところがたくさんあることに気づいた。
2300円としておこう。